大人がいなくなった後に、子どもが大人と同じように暴力的な行動に出ることが分かっています。この実験は「ボボ人形実験」と呼ばれ、観察が学習を促すことを証明しています。
ごくまれに、何らかの原因でほとんど他人と接触せずに生きてきた野生児と呼ばれる子どもが存在します。最も有名なのはジーニー・ワイリーの例です。ジーニーは生まれてから13年間父親に監禁され、小さな部屋に閉じ込められて過ごしました。
また、ジーニーを研究対象として「人間が幼少期に言語学習を積まなかった場合、成長後に意思疎通できるレベルにまで言語を習得できるのか?」という実験が行われました。実験開始当初、ジーニーは速やかに単語を覚えることができ、幼児と同じような、2〜3個の単語を使った会話も可能でした。
ジーニーは、子どもが幼児期から思春期にかけて言語を習得する臨界期を過ぎてしまったため、文法を覚えることができなかった模様。
臨界期について研究しているエリック・リネンバーグ氏によれば、言語機能は左脳が担っているとのこと。
幼い子どもは、自分のまわりの人間や環境を観察することで、世界を学びます。
例えば、子どもは大人の行動を観察して、動きを模倣します。このような学習形態は「観察学習」と呼ばれています。
文法は、言語学者のノーム・チョムスキー氏が「人間の言語と動物のコミュニケーション方法を分けるライン」だと定義づけるほど、意思疎通のために重要な要素です。
義務教育は多くの国で実施されていますが、子どもが幼少期に何も教わらなかったら成長後にどのような影響が出るのかを、アニメーションで解説したムービー「What If You Were Never Taught Anything?」が公開されています。